カウンセリングの面接を開始すると、カウンセラーとクライエントの言葉のやりとりが始まります。カウンセラーがクライエントの身の上に起きた出来事や、それらに対して感じた気持ちなどを傾聴することは、そのやりとりの重要な部分を占めます。
ただ、それだけではなく、カウンセラーが聞いたことを要約して伝え返したり、労いの言葉をかけたり、わからないことを質問したりすることもあります。
クライエントが自発的に要望を伝えることもあります。「今日はこの2つのことについて気持ちを整理したいです」とか、「どうしたらいいかアドバイスがほしいです」、「今日はただ聞いておいてほしいです」などと、どんな面接にしたいか初めの段階で希望を語ってもらってもかまいません。
カウンセラーは要望を聞いて、実行可能なことであればその通りにします。実行が難しいことであれば、折衷案や別のやり方を提案することがあります。
困ったケースとしては、ずっと以前のことになりますが、ある療法の本を指定され、「本代は出しますので、この本を読んで勉強して、この方法でカウンセリングをしてください」というようなことを言われた時でした。このような場合はめったにありませんが、これについてはお断りしました。カウンセラーといえども、どんな要望にも応えることはできないのです。あまりに要望が多くても、正直に言うと困ることがあります。
しかしながら、日本人ですと特に、カウンセラーに自分のまっとうな要望を伝えることにためらいを感じる人もいるかもしれません。私としては、どうしてほしいかを教えてもらった方が、多くの場合やりやすいと感じています。クライエントの人が、カウンセリングをどう考えているのかもわかりやすくなります。要望にもいろいろな個性が表れます。カウンセラーから「どうしてほしいですか」とお尋ねすることもよくあります。
面接が期待外れにならないようにするための方法の一つは、自分がどんな面接を望んでいるのかについてカウンセラーに伝えてみることだと思います。
( 水元公園 アオサギ )
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