問題が起きているとき、皆が当事者もしくは関係者である。
問題があると周囲から目される当人でなくても、その問題に関わる人は皆関係者である。
カウンセリングのメリットは第三者の意見を聞けることである。
カウンセラーは当該案件とは利害関係や人間関係が全くないので、
その関係に巻き込まれずに、少し俯瞰して、第三者として物を見ることができる。
これはカウンセラーの専門知識によるところももちろんだが、
当事者と関わっていないというポジショニングによるところが大きい。
カウンセラーでも自分の家族や関係者となると第三者にはなりえないからだ。
それでも、カウンセリングが始まってしまうと、カウンセラーはその問題に関わる人になるので、第三者的位置取りがしにくくなるというジレンマも生じる。
だから、カウンセラーはなるべく客観的で中立的な位置を保つようにはしている。
鏡に例えると、人はどう頑張っても自分の顔を見ることはできない。
顔を何かに映して見るしかない。
顔にご飯粒がついているよと言われないとわからないのだ。
自分の心や人間関係も自分では見えない部分がある。
そういうとき、第三者から見えるものについてならば第三者からの指摘は有益となる。
もちろん、カウンセラーの見方が全く正しいというわけではないが、
問題に関わる人が問題を離れて見ることは難しいのでカウンセリングの意味がある。
先の「利用案内:状況確認」と通じるが、
問題の渦中にいるからこそ、問題外にいる第三者による状況確認や位置確認が助けとなる。
臨床心理学の専門性をもった第三者。それがカウンセラーの特質と位置取りである。
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