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強迫性障害に苦しんでいる方へ

最近、俳優の佐藤二朗さんが強迫性障害に苦しんでいることを公にし、話題になりました。昨年12月にはモーニング娘。元メンバーの道重さゆみさんも強迫性障害のために活動の休止を発表しました。強迫性障害は100人に1~4人が発症するそうで(資料1)、めずらしい病気とはいえないのですが、症状があっても病気とは思わずに受診しない方は多くいらっしゃるのではないかと思います。


強迫性障害の症状はさまざまあり、よくある事例としては、手にばい菌がついていると思って必要以上に手洗いをしてしまったり、外出前に玄関の施錠を何度も確かめてしまうといった行動(症状)です。本人や家族は、「きれい好きが高じただけ」とか、「心配しすぎ」と受けとめ、病気が見過ごされている可能性があります。「手を洗わないと、家族を病気にしてしまう」と本人が真剣に心配していることもあります。そのため「心配しすぎ」などと家族が本人を叱ってしまうと、ご本人は「この苦しさを誰にもわかってもらえない」と孤独感を強めてしまうことにもなりかねません。


強迫性障害に苦しむ方には上のような状況が起きていることが十分に考えられるため、有名人によるカミングアウトは、多くの方に気づきを与えてくれたのではないかとうれしく思っているところです。なぜならこのように書いている私も実は過去に強迫性障害による行動を病気の症状と理解できず、大変申し訳ないことに適切なカウンセリングをクライエントにご提供できなかったことがあるからです。


強迫性障害には精神科での服薬治療が有効です。並行してカウンセリングでこの病気について理解を深めていただき、日常生活で課題に取り組みながら少しずつ症状を減らしていけるようサポートいたします。症状に苦しむ方にとって、受診や相談は大変勇気がいることだと理解しています。通院に不安がある場合は、まずはカウンセリングから始めていただいても大丈夫です。どうぞご検討ください。


資料

1.「強迫性障害の臨床像・治療・予後-難治例の判定、特徴、そして対応-」松永寿人 精神神経学雑誌オンラインジャーナル(2013)115巻9号 pp967-974.






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