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日本語を感じる

 私たちの身体の名称、たとえば、鼻、目、歯、腹などは、大地やそこに見られる花、芽、葉、原などと同じ音です。これは偶然なのではなく、元はいっしょの言葉であることを示しています。つまり、大地は大きな身体なんだと思いいたります。

 似た例は動詞にもあります。「はなす」は、「離す」と「話す」。少し意外に思う人もいるかも知れませんが「すむ」は、「住む」「済む」「澄む」で、総合的に意味づければ、「きれいに落ち着く」といったところでしょうか。今あげた言葉は小さいころから覚えて、使ってきた「やまと言葉」です。「やまと言葉」は独特の流儀に基づいて世界を作り上げています。

 百人一首は鎌倉時代までの代表的な短歌のアンソロジーです。この短歌集の歌は例外なくやまと言葉しか使われていません。古語ですから今となっては難しく聞こえもしますが、もとを正せば、平易なしかし心に沁み入る言葉だと言えるでしょう。やまと言葉は美しい懐かしい世界を作ります。


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