カウンセリングルームでは、さまざまな職業に従事している人々に出会います。ときに、無職の人と話をするときもありますが、そういう人のなかにも何らかの趣味などを継続的に行っている人もいます。学生の相談に乗ることもあります。
カウンセリング業とはまったく異なるタイプの職業の人もいます。その相談者の悩みが仕事内容に関係しているときは、カウンセラーとしては仕事内容を差し支えない範囲内で教えてもらう態度で話を聞きます。どの程度の規模の職場で、どんな人に囲まれて、どんな仕事の苦労(喜び)を抱えて過ごしているのかなどを把握することは、悩みの背景を知ることであり、適切に対応するうえでとても大切です。
カウンセリング業と一部仕事が重なるような、いわゆる近接領域と呼ばれる業界で働く相談者の人もいます。たとえば典型的な例としては、看護師、介護職、教師などの対人援助に関わる人々です。そういう人と話をする場合は、カウンセラーとしては背景を具体的に想像しやすく、カウンセラー自身の体験から、相手の体験を理解できることが多くなります。
どのような職業(趣味的活動や学部の専攻)であれ、カウンセラーにとって大切であると考えていることは、相手の仕事へのリスペクトだと思います。相手の活動に関心を示して、その活動内容や活動の場をありありと想像しながら話を聞いていくことです。相手が継続的に行っていることは、その人にとって大事なものと言えるでしょう。相手を尊重することは、相手が大事にしているものを丁寧に扱うことなのです。
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